ずぼしのしるし

書きたいことを書き溜めて置く場所。

『 色づいてゆく度にまぶしい。』のお話

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ISF08で頒布したかなしほのお話『色づいてゆく度にまぶしい。』を去年の11月あたりにTwitterにて期間限定で公開していました。本当はこの記事も合わせて上げるべきだったんですが諸々で全く手がつけられていなかったので今更ですがさくっと振り替えって色々書いておきます。

 

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■話を作ろうと思ったきっかけ

のりひな以外でミリオンの好きなCPは?と聞かれたらかなしほと答えるのですが、自分の見たい距離感のかなしほになかなか出会えずじゃあ一回くらい描くか…となったのがきっかけです。CPと表記していますが親友以上恋愛未満が自分の好みの傾向にあります。今回のお話もそのあたりを上手く落とし込めるように意識しました。

 

 

■表紙とタイトル

表紙の案もタイトルもギリギリまで何も決まらず今まで出した同人誌の中で一番苦しんだと思います。

タイトルは色々捻ってもしっくりくるものが出ず、結局自分の好きなアーティストの曲の歌詞を少し変えてお借りしました。元の曲は恋愛の曲だったのでもう少し友情寄りのニュアンスになるようにしました。話の内容と自分の絵柄と相談して紙は白地で柔らかい感じにしようというところから少しずつ広げていき、画用紙の上に水で溶かした絵の具をのせてじんわり滲んでいくイメージを目指しました。(できてますかね…)

 


■本編①(作画)
今回は全ページ基本枠できっちり描くというルールでやりました。描き始めの頃同じやり方でめちゃめちゃ読ませる作品に出会ってその影響をもろに受けた感じです。これ以降もコマ割りを大きく崩さずきっちり描く描き方をしていることの方が多いです。画面が固くなり過ぎてないか気にしながらやっていますがもっと色々描けるようになってコマ内に奥行き見せられるようにならないとなあと思います。背景とか俯瞰とかあおりとか背景とか…。

 

 

■本編②

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自分の見たいかなしほを詰め込んだので極論を言うと全部好きなのですが、舞台に立つ志保の表情は特にお気に入りです。友人に舞台をやっている子がいて、小さなハコに何度かお邪魔したことがあるのですがその経験が活きました。前回のひなた本でも志保が出てきましたが、その時よりも志保らしさを表現できているのではないかなあと思います。

可奈はとにかく色々な表情が描けて楽しかったです。喜怒哀楽が表に出る子はかわいい。肉まんのシーンあたりがお気に入りです。

 

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ミリシタのメインコミュで志保が矢吹さん呼びから可奈呼びに変わる瞬間が本当に好きです。

かなしほのお互いを見てる時の表情はこっちまでにこにこしてしまうので本当に好きです。

自分のイメージがひなたとのり子という印象が強い気がするので頒布前はそこそこ不安でしたが、イベントではたくさんの人に手に取って頂けて安心しました。読んで下さった方ありがとうございました。

 

次またかなしほ本を出す予定はないのですが、Twitterで上げようと思っているかなしほのお話をものすごくゆっくり進めているので完成したらそのうち。忘れた頃になりそうですが…。
 

『 アタシとあたしのかわいいについてのおはなし』のお話

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歌姫庭園21で頒布したのりひな本『 アタシとあたしのかわいいについてのおはなし』をTwitterで期間限定で公開しています。一週間ほど載せる予定ですのでよろしければぜひ。

 

二冊目ののりひな本です。やった~!

今回もお話の補足とか色々振り返ってみようと思います。

 

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■話を作ろうと思ったきっかけ

本編のあとがきにも似たようなことを書いているのですが、初めて出したのりひな本『きょうはふたりで、 』がひなたの悩みにのり子が寄り添うお話だっので今回はその逆のお話を書きたいと思いました。

 

 

■表紙とタイトル

のり子の一人称が「アタシ」でひなたの一人称が「あたし」なの最高じゃないですか???タイトルはそのままストレートに話の内容が伝わる形にしました。

表紙はパール調のキラキラした用紙を使い、絵柄もカラートーン調にしてポップでかわいらしい感じを目指しました。刷り上がりが思った以上にかわいくまとまってくれたのでお気に入りの表紙です。

 

 

■本編

お話を考えるにあたって、ひなたは人の悩みを明確な答えを出して解決するのか?というところは少し悩みました。結果的にぼやかした感じにしたのですが、読み返してみたら思ってたより雰囲気で読み取る終わり方になっていて大丈夫かなと少し心配になりつつも、その方がひなたらしいからまあいいか…になりました。わかりづらかったらごめんなさい。

のり子は大学生でひなたは中学生なので、日常生活での悩みもそれぞれ違い共感するのは難しいかもしれないのですがこういう形もあるよねというお話が書けたのではと思います。

冒頭でのり子と絡むモブ女子大生は、無意識に他人のデリケートな部分にずかずか踏み込んでしまうタイプの、こういう奴いたな~という実体験が織り交ざっていたりいなかったりします。二人とも悪気はないから余計に何とも言えぬもどかしさがあります。

 

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本屋の背景が描けそうで全く描けなかったので、近くの本屋で写真を撮って資料集めをした記憶があります。話の入りの大変なシーンなのでいつもよりも力入れて描きました。

 

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ここは二人の表情が一番しっくりくる感じで描けたので特にお気に入りです。

 

のり子は悩んで行き詰まるとうだうだうじうじしてそうでそんなところも含めておんなのこだなあ…と思い愛おしくなります。のりひな描いたあとにシタののり子のボイスとかコミュとか見直すともっとパワフルで元気でボーイッシュ!って感じなんですが、自分はのり子のふとした柔らかい部分が一番好きで、それがお話の中でも自然に表れているんだなあと最近気づきました。

 

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のりひな、そろそろ公式でもなんかこう…………何か……欲しい……

そろそろユニット組みませんか……??(?)

公式からほぼ何もない故に自由に二次創作出来る楽しさはあるにはあるのですが、取っ掛りとかなんかそういうのあればいいな~~~…。(貴重な供給、オファーののりひなテキストはあるので読んでみてね)

自分の描いたお話を通して、のりひなアリなのでは…?とほんの少しだけでも思ってくれる方が入れば嬉しいです。

 

BOOTHで在庫も少し取り扱っていますので、こちらもよろしければぜひ!

ずぼしのにぼし - BOOTH

 

『優しいだけでは転べない』のお話

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昨日から、ISF07で頒布したひなたのお話『優しいだけでは転べない』を期間限定でTwitterにて公開しています。(※5/13で公開終了しました。沢山の方に読んで頂きありがとうございました!)

 

前回記事同様、話を作るにあたっての振り返りとか掘り下げた話とか色々書き記していこうと思います。

 

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■話を作ろうと思ったきっかけ

一度「アイドルとしての木下ひなた」のお話を書いておきたいとなったのが最初のきっかけです。ひなたの魅力って本当にたくさんあると思っていて、よく見かけるかわいいも間違いなくそうなんですけど、かわいいアイドルはいっぱいいるしそこでもう一歩ひなたに寄り添って欲しい…かわいいだけではない……という気持ちから、敢えてひなたの短所を拾ってお話を考えました。

 

コミュを追っていると、あたしもみんなみたいに~とか足を引っ張らないように~とか自分を卑下しがちな描写がちょいちょいちょいあるんですが、それはひなたがネガティブというより他人のいい所をみつけるのが上手で、素直に褒めてあげられるからそれに引き換え自分は…となってしまうんだと思っています。他人を妬む気持ちが芽生えた時も、真っ先に自分を責めてしまいそうだな…と。

 

サンリズムオーケストラのイベコミュ4話はものすごく影響を受けています。自分の中のひなたはこういう子かなという人物像もより固まりました。(サンリズムコミュは田村奈央さんの演技も相まって凄くいいコミュなので是非ボイスありで聞いてみてください。)

 

 

■表紙とタイトル
ひなたの短所⇒「優しすぎるところ」が話の主軸だったので、そのニュアンスを伝えられるタイトルにしました。直接的な表現があまり好きではないので、本当は優しいという言葉を使わずなんとかしたかったんですが、結果的にいい感じに馴染んだかなと思います。

転べないの部分は諺の「七転び八起き」から引っ張ってきていて、自分の優しさを受け入れて(躓いて)先に進める…みたいな意味合いをこめました。

表紙はカラーにするか単色でいくかギリギリまで迷いましたが、クラフト紙にスミ1色で素朴な雰囲気の仕上がりにしました。

 


■本編①(作画)
前回の作画縛りルールが「トーンを一切使用しない」だったので今回は「トーンを頑張って使う」にしました。楽になったような気はします。多分……。

志保の髪はトーンベースで描きましたが再録で本に纏めることがあれば黒ベースで全部描き直したい…

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キャラの気持ちを四角枠で表現するやつも使ってみたりもしました。これ結構便利なんですけど個人的にあまり多様したくなくて、文字が多すぎると漫画で伝える必要性が薄れてきてしまう気がしてしまうんですよね。でも上手い漫画も普通にめちゃくちゃあるのでバランスが…難しい…別の機会にまた挑戦してみたいです。

自分が絵とか間とか雰囲気で伝える系統が好みなのもあっていかに少ないページと台詞で伝えられるかを意識してるところはあったりします。

 

あとはとにかくネガティブになり過ぎないように気をつけました。Pとの会話とか翼のオーディション受かった話聞いてる時のひなたの表情とか描いててだいぶしんどかったです。なんで担当にこんな表情させてるんだろうと苦しみながら描いた記憶があります。

 

 

■本編②(後半の志保のパート)

最初、後半でひなたに手を差し伸べる子は志保ではなく別の子で描き進めていました。

誰かと言うとまつりです。

 

まつりにした理由としては、ひなたが慕っている子の一人であること、ひなたのメインコミュにも登場していたこと、年上としてひなたを引っ張ってくれそうなところ…等。

ネームもまつりで作っていたのですが、後半に突入する手前で本当にまつりでいいのか…ともやもやしてきてしまい、一旦筆を止めてしまいました。

 

まつりがどうこうというより、自分のまつりに対する解釈が足りてないと感じたのと、上記と同じ理由に当てはまる朋花は?となったりもして、納得のいく形で完成できないなと感じたためです。

(ネーム見返したらウミウシのマスコットとか出てきてました。)

 

次に考えたのが翼でした。ただ翼は前半でも出てきていて、これだとつばひな寄りになってしまうと感じたのと、何よりサンリズムコミュで公式がやってくれてるので、これも没にしました。

 

その後翼と同い年で誰か…と考えピンときたのが志保でした。まつりで考えていた話の流れを基にしつつ、志保用にもう一回ネームを描き直しました。後半の作画が乱れてるのは主にこれが原因です…。ここもばっさり描き直したい…。

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この台詞は今でもとてもお気に入りです。

 

同じお姉ちゃんポジションだったり、同い年でもこの二人は独特の距離感があるように思います。ミリシタ内でも二人の絡みもっと見たいですね。(オファーのテキストの距離感すごく良いのでこんな感じのもっと欲しいです。)

 

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作画や細かい台詞回しとか、荒い部分が目立って直したいところはたくさんあるんですが、話としては自分の描きたいことを描ききれた作品になったと思います。またありがたいことに予想以上に反響があり、これがきっかけで私の他の作品を知ってくださった方が増えたようにも感じています。

アイドルとしてのひなたのお話はあとふたつほど描きたいなと思っているものがあるので、また形にできたらなと思います。

 

『きょうはふたりで、』のお話

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先日、ISF06で発行したのり子とひなたのお話『きょうはふたりで、』を期間限定という形でTwitterで公開しました。(現在は公開終了しています。たくさん見て下さってありがとうございました。)

 

そして、せっかく公開したのでもう少し掘り下げた話とか色々書き記しておこうかなと思いブログを作ってみました。あんまり文章を書くのは上手ではないのですが、暇つぶしにでもお付き合いください。

 

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■話を作ろうとおもったきっかけ
先日ミリシタでも開催されたイベント、俠気乱舞がこの話を作ろうと思った大元のきっかけでした。当時はひなたを担当にしようと決め、みんな大好きメモリアルコミュ3でのり子の虜になった後CDを色々聴き漁っていた時期だったと思います。普段の二人と演技とのギャップに更にやられてしまったと同時に、劇中劇から離れた普段の二人をもっと見たいと思うようになりました。

 

ただ驚いたことに、ミリシタでもグリマスでも二人の絡みは殆どないに等しく二次創作でものり子とひなたでお話を作っている人はあまり見かけませんでした。それこそ木下組の創作はそこそこありましたが、私が見たいのは普段の二人……ない……じゃあ自分で作るか……となったのです。


よく創作は需要じゃなくて自分が見たいから作るみたいな内容のツイートが定期的にバズってますが、まさにそれでした。自分が見たいと思う自分だけののり子とひなたを描いてやろうとめちゃくちゃウキウキしていたのを覚えています。いわゆるマイナーカプな上自身のミリオン同人界隈での知名度など考慮すると本捌けるのか…?という気持ちを抱きつつ読んで欲しさもあったので結構調子に乗った部数刷りました(無事完売したのでお手に取って頂いた方々改めてありがとうございました…)。

 

 

■表紙とタイトル
表紙の構図とタイトルは割とすんなり決まりました。モデルにした作品の表紙がありそれっぽくなるようにしたのですが、話の内容とマッチした柔らかい雰囲気が出せたと思います。タイトルはフォントがうまく馴染まなかったので自分の手書きにしました。
タイトルの『きょうはふたりで、』の由来は…二人がお出かけする話とは決めていたのでそういう雰囲気やニュアンスが伝わればいいなと思ってつけました。最後に読点をつけたのは二人が色んなところに遊びに行ってたらいいなという広がりを見せたくて…結構ぼんやり決めてますね…

 


■本編①(作画)
私は本を出す度に、自分の中で簡単な縛りというかルールを作っています。

今回のお話で決めたルールは
「トーンを一切使用しない」でした。

 

……。

 

この『きょうはふたりで、』は、私がミリオンで初めて真面目に描いた漫画なのですが、初めての癖によくこんなルール作ったなと今でも思います。まじで大変でした。(今もそんなにトーン多用できてないですが…)
良かったら読み返して確認してみてください。

 

というのもトーンと自分の絵柄が上手くハマるのかわからなくて、変に浮いて雰囲気を壊してしまうのが一番嫌だったのでじゃあ全部自分の手で描けば大丈夫だよね!というデジタル作画の癖にゴリゴリのアナログ思考で描き進めて行くことになりました。まあ何だかんだいけるやろという軽い気持ちでいたものの作業スピードの兼ね合いもありすごい時間がかかってしまいました。料理とか。ひなたのカーディガンとか。空とか何これどうすんのとか。当たり前だ。

 

今見返すと、丁寧だけどぎこちなさもあって描き慣れてない感がすごいですね。目の大きさとか身体の描き方も若干変わった気がします。

 


■本編②(内容)
のり子のお姉さんな面を見せたいという気持ちがあったので、悩んでいるひなたにそっと手を差し伸べてあげるのり子、という話の流れも割とサクサク決まりました。ただ二人のゲーム内のテキスト供給がほぼないのと、のり子こんな大人しいかなとかのり子Pの方になんかこののり子違くない?って思われないかなとヒヤヒヤしながら描いていました。

 

のり子の口調は今でも描く時に悩みます。奈緒とか同年代の子達といるならまだしも、年下の子と接する時の言葉遣いとなるとなかなか難しいです。もう少しはっちゃけさせてもいいのかもしれない…。

 

のり子って明るく元気な面もお姉さんな面も女の子な面もかっこいい面もどれも間違いなく福田のり子で、なんか…ずるいですよね…(?)

 

ひなたは実家の話をすると結構ぺらぺら話してそうでかわいいですね。どちらかと言うと聞き手側の子だと思うのですが、自分の好きなことの話になると止まらなくなりそうでかわいいですね。

 

二人の話を描くと決めたものの、距離感や会話のテンポは完全に手探り状態だったので台詞もたくさん悩みました。

 

因みに作中の料理はお肉が多い方がのり子、お野菜があるのがひなたです。チキン南蛮と野菜炒めみたいなイメージで。

 

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背景もちょいちょい遊び心をいれたりしています。

うどん→静香  なんなん→紬  やきにく→のり子

みはる→天海春香から何文字か抜き取ったもの

 


■本編③(構図)
よく感想で表情や間のとり方をお褒め頂くことが多いのですが、どちらも割と意識してコマ割りしています。話し手の台詞が続く時に聞き手の表情や背景が映るという流れが好きで、自分もそれをなんとか真似しているという形なのですが、上手く見えていたら嬉しいです。

 

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こんな感じでしょうか。

改めてこれわざわざ読む人いるか…?という気持ちになっていますが、あと二冊出していてそれもいつかこういう形で書くと思いますのでよろしくお願いします。

のり子とひなたの組み合わせ、もっと増えますように。